ゴールデンレトリバーのブリーダーにおいて、股関節形成不全(HD)を減らしていくことは義務です。
HDを患って、つらい思いをしている犬達・オーナーさん達を知っています。
HDは環境・栄養など複数の原因からなる遺伝性の多因子疾患であるため、検査することだけで、完全に次世代の子犬にHDがでない保障はありません。(ただ両親が股関節形成不全だと、正常な股関節の子犬は7%しか生まれません)ですが、減らしていく努力はできます。実際、スウェーデンは公開登録制を実施、情報公開が進み、1989年にはスウェーデン国内のHD罹患率46%が23%にまで減少したとあります。
繁殖犬達のHip ScoreはAかBと決めています(スコアはA~Eまであり、Eが最も重度です)。
肘関節形成不全(ED)は高い遺伝性疾患ですが、もちろん栄養・環境要因もからんできます。発生率がかなり高いということと、無症状でも関節炎の存在がある場合が多いとされています。体重の7割がたが前にかかる犬の構造を考えれば、大型犬では、繁殖の前には必須の検査項目であると考えます。
ブリーダーは、出来うる限り、病気を減らす努力をしていかなくてはなりません。彼らは、自然に交配、妊娠、出産するのではなく、私達にさせられているからです。それが命を生み出す、ブリーダーの責任であると考えています。
ただ、単にヘルスクリアランスだけに目を奪われ、本来のゴールデンレトリバーらしさがなくなると純血種の繁殖としては意味を成しません。ですから、本来ブリーダーには、高度な知識・情報・経験が必要とされます。
買う人がいるから、売る人がいる。パピーミルから買う人がいなくなれば、正しい繁殖知識のない繁殖屋(あえてブリーダーとは書きません)パピーミル・繁殖屋はなくなります。飼う人たちの意識改革が何より大事なのです。